株式投資では、「どの株を買えばよいか」という情報が目につきやすい一方で、「買ってはいけない株」の特徴を知ることも同じくらい重要です。初心者ほど、上がりそうな話題や人気ランキングに引っ張られやすくなりますが、失敗を減らすには、避けるべき銘柄の傾向を知っておく方が役立ちます。買ってはいけない株とは、必ず下がる株を見抜くことではなく、自分が納得して持ち続けにくい株を避けることともいえます。

まず避けたいのは、理由が弱いまま買う株

買う理由を自分で説明できない

誰かが勧めていた、SNSで話題になっていた、急に上がっているように見えた、といった理由だけで買うと、値下がりしたときに支えがなくなります。自分で納得していない株は、少し下がっただけで不安になり、落ち着いて保有しにくくなります。

人気や雰囲気に流されている

投資では、上がるときよりも下がったときの方が判断の弱さが表に出やすくなります。人気があるという理由だけで買った株は、逆風が吹いたときに持ち続ける根拠を失いやすいのが難点です。

初心者には分かりにくい株も注意したい

事業内容がよく分からない

難しい専門用語が多い企業や、何で利益を出しているのかが見えにくい会社は、初心者には判断が難しくなります。理解しにくい企業がすべて悪いわけではありませんが、自分にとって分からない株を持つと、決算やニュースを見ても良し悪しを判断しづらくなります。

身近で理解しやすい企業から始める方が無理がない

最初のうちは、事業内容を自分の言葉で説明できる企業から見る方が現実的です。理解できる範囲で選ぶだけでも、焦りや思い込みによる失敗を減らしやすくなります。

短期間で急騰した株に飛びつかない

勢いだけで買うと高値づかみしやすい

株価が短期間で急騰した銘柄は魅力的に見えますが、その勢いがいつまで続くかは分かりません。値上がりした理由を理解せずに後から飛び乗ると、高いところで買ってしまうことがあります。

下がったときに持つ理由を失いやすい

短期の値動きだけを見て買うと、下がったときに「なぜ持っているのか」が分からなくなりやすくなります。値動きの勢いではなく、企業そのものを見る視点を持てるかが大切です。

高配当や高優待だけで選んだ株

見た目の数字だけで安心しない

高配当や高優待をうたう株にも注意が必要です。配当利回りが高いから安心、優待が豪華だから得、と単純に考えるのは危険です。高配当に見える背景に株価の下落があるかもしれませんし、優待制度は変更や廃止の可能性もあります。

還元を続けられる会社かを見る

見た目の魅力だけで飛びつくのではなく、その会社が無理なく還元を続けられるかを考える必要があります。業績や事業内容まで見たうえで判断したいところです。

値動きや業績の波が大きすぎる株

振れ幅に耐えられるかが重要

利益が大きく増える年もあれば急に悪化する年もある企業は、期待が大きい反面、失望も大きくなりやすい傾向があります。将来性のある企業が悪いのではなく、その振れ幅に自分が耐えられるかが大切です。

不安が強いなら安定した企業から

少しでも不安が強いなら、安定した企業から経験を積む方が無理がありません。初心者のうちは、派手さより納得感を重視した方が続けやすくなります。

売買が成立しにくい株も注意が必要

出来高が少ないと取引しにくい

出来高が少なく売買が活発でない株は、買いたいときや売りたいときに思った価格で取引しにくい場合があります。知名度だけでなく、取引のされ方にも目を向けることが大切です。

売りにくさが不安につながることもある

こうした株は、値動きが荒く見えたり、売買のしにくさそのものが不安につながったりします。初心者ほど、取引しやすさも確認しておいた方が安心です。

避ける基準を持つことが、投資では大切

結局のところ、買ってはいけない株とは、数字だけを見て飛びついた株、他人の判断に乗った株、自分の理解が追いついていない株です。逆にいえば、自分で事業内容を理解し、なぜ買うのかを説明できる株は、値動きがあっても持つ理由を保ちやすくなります。

初心者のうちは、勝てる銘柄探しより、避けるべきパターンを知る方が失敗を減らしやすいものです。株を買う前に「この会社を自分は説明できるか」と立ち止まるだけでも、投資の精度は大きく変わります。

投資には元本割れのリスクがあります。話題性だけで銘柄を選ばず、自分で理解できる範囲から判断することが大切です。

出典:金融庁 投資を行っている方へ
日本証券業協会 はじめての資産運用