投資信託は始めやすい商品ですが、買い方を間違えると「思ったより増えない」「結局損して終わった」と感じやすくなります。失敗しやすい人には、いくつか共通した行動があります。

短期間で結果を求めすぎる人

投資信託で損したと感じやすい人に多いのが、始めてすぐに成果を求めるケースです。数か月で大きく増えることを期待すると、少し下がっただけで不安になり、売却を急ぎやすくなります。投資信託は、日々の値動きで利益を取りにいくというより、時間をかけて資産形成を目指す考え方と相性がよい商品です。短い期間だけ見て判断すると、本来は続けるべき局面でもやめてしまいやすくなります。

値下がりを「失敗」と決めつける人

投資信託は元本保証ではないため、買った後に基準価額が下がることはあります。そこで一時的な下落をそのまま失敗と受け取ると、下がったところで売ってしまい、戻りを待てずに終わることがあります。値動きのある商品である以上、途中の下落そのものより、下がった時にどう行動するかのほうが結果を左右しやすいです。

人気ランキングだけで選ぶ人

ランキング上位の商品や話題のファンドは目に入りやすく、安心感もあります。ただ、売れていることと、自分に合っていることは別です。投資対象が国内中心なのか海外中心なのか、値動きが大きいのか比較的緩やかなのか、手数料はどうかを見ないまま買うと、相場が荒れた時に持ち続ける理由を失いやすくなります。人気の理由を理解せずに乗るだけでは、長続きしにくい買い方になりがちです。

中身を見ずに買ってしまう人

投資信託は名前だけでは中身がわかりにくい商品もあります。似たような名称でも、投資対象や値動きの特徴がかなり違うことがあります。何に投資する商品なのかを理解しないまま買うと、「思っていたより値動きが大きい」と後から驚くことになりやすいです。

手数料を軽く見ている人

投資信託では、買う時の手数料だけでなく、保有中にかかるコストも確認したいところです。長く持つ商品ほど、わずかな差が積み重なりやすくなります。もちろん手数料だけで良し悪しは決まりませんが、内容をよく見ずに高コストの商品を選ぶと、思ったほど資産が増えない原因になりえます。特に長期保有を前提にするなら、コスト感覚は無視しにくい要素です。

上がった時だけ買い、下がるとやめる人

相場が好調になると投資を始めたくなり、逆に下がると怖くなってやめる。この行動を繰り返すと、結果として高いところで買い、安いところでやめる流れになりやすくなります。投資信託で損したという印象を持つ人には、このパターンが少なくありません。積立の良さは、価格が高い時も安い時も機械的に買い続けやすい点にありますが、感情で止めてしまうとその効果が弱くなります。

相場ニュースに反応しすぎる人

毎日の経済ニュースを追いすぎると、少しの材料で売買したくなることがあります。しかし、長期で積み立てる前提の商品まで短期ニュースで動かしてしまうと、方針がぶれやすくなります。情報を集めること自体は悪くありませんが、ニュースを見るたびに方針を変えるなら、投資信託の持ち方としては不安定になりがちです。

生活に無理のある金額で始める人

毎月の積立額が家計に合っていないと、相場以前の問題として続けるのが難しくなります。余裕資金の範囲を超えて積み立てると、出費が重なった月に取り崩したくなったり、値下がり時に不安が大きくなったりします。制度の上限や他人の金額に合わせるのではなく、自分の生活に負担がない水準から始めることが大切です。

枠を埋めることが目的になっている人

NISAなどの制度を使う場合、非課税枠を意識しすぎるあまり、家計に合わない額を入れてしまうことがあります。投資信託で損しやすいのは、商品選びよりも先に金額設定で無理をしているケースです。続けられない積立は、良い商品を選んでも意味が薄くなります。

自分の目的を決めないまま始める人

老後資金なのか、教育費の補助なのか、10年以上使わないお金を育てたいのか。目的が曖昧なままだと、相場が不安定になった時に「なぜ持っているのか」がわからなくなります。目的がないまま始めると、ちょっとした下落で迷いやすく、売却の判断もぶれやすくなります。反対に、目的が明確なら、一時的な値動きがあっても行動を決めやすくなります。

失敗しにくい買い方は「納得して続けられること」

投資信託で損しやすい人に共通するのは、商品そのものより、買い方や続け方が不安定なことです。短期で結果を求める、人気だけで選ぶ、手数料を見ない、上がった時だけ飛びつく、生活に無理な金額を入れる。こうした行動が重なるほど、損したという結果につながりやすくなります。大切なのは、内容を理解したうえで、無理のない金額で、長く持てる形に整えることです。投資信託は便利な商品ですが、感情任せに扱うと、その便利さを活かしにくくなります。

出典:金融庁「資料コーナー:NISA特設ウェブサイト」

出典:投資信託協会「なるほど!投資信託説明書ガイド」